大腸がんが多いのは、本来は欧米でした。しかし、近年では日本でも欧米からの食事スタイルが浸透したことで、以前よりも大腸がんにかかる人が増加しています。2009年には男性では肝臓がんを抜いて部位別のがん死亡率が3位、女性では他の部位のがんを抜いて死亡率が1位になっています。女性に大腸がんが多い理由の一つとして、男性よりも便秘になりやすいことがあげられます。
男性よりも食事の摂取量が少なかったり、腹筋や肛門括約筋が弱い人が多いからです。罹患率は増加傾向ですが、早期発見と治療によって死亡率を下げることが出来ます。最近ではカプセル内視鏡による検査も登場しています。つまり、症状が出る前に発見できれば十分治療は可能だという事です。
がん検診では便潜血検査と言って、便に血が混じっていないかどうかを調べます。これには2通りの方法があり、それぞれ便潜血検査化学法と便潜血検査免疫法と言います。ただし、良性の疾患でも血便が見られることもあるので、血便が出てもすぐに大腸がんと診断されるわけではありません。一次検査では先ほどの便潜血検査化学法と免疫法に加えて、直腸指診が行われます。
男女ともに増加傾向にあるがんなので、がん検診を受けておいた方が良いですが、特に気をつけておきたいのは食物繊維の摂取量が少ない人や、動物性の脂肪の摂取量が多い人です。食物繊維不足と動物性脂肪の過剰摂取は大腸がんの2大要因ですから、これに当てはまる人はなるべく早くがん検診を受けておくようにしましょう。