人間ドックのコースの種類として、脳ドックというものを目にする機会もあると思います。脳ドックに関しては、様々な人間ドックを受診することができる医療施設のコースとして用意されているものとなります。日本においては日本脳ドック学会という団体があって、内容の規定が行われています。脳ドックの目的は、現在において症状が現れていない人を対象として検査で、MRIやMRAを使用することによる画像診断を主な検査内容としているもので、脳血管疾患やまたはその危険因子に関しての発見を行って、発症や症状の進行を防止することにあります。
主な発見対象としては、脳梗塞や脳卒中などの危険因子、頸部血管閉塞、頸部血管狭窄、高次脳機能障害などが該当するもので、検査の結果によってこれらの症状があらわれているかどうかの判定が行われます。通常の人間ドックで行われている検査項目に、MRIやMRAが追加されているもので、眼底検査、血液凝固、脳血流検査、頸部超音波エコー検査などが加えられる場合もあります。特に近年では、MRIやCT、超音波検査に代表されるような画像診断の精度が飛躍的に向上していると言われていますので、脳やその周辺の血管に関する状態を詳細に画像で映し出せるように医療技術が進歩しています。血液内部の物質を検査することも大切なものとなりますが、視覚的な方面から脳の状態を詳細に把握することが可能な画像診断が重要視されている脳ドックの施設が増えているところが、特徴として挙げられます。